“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
J1湘南MF松田天馬の顔つきが違う。
転機はルヴァン決勝の、あの交代。
posted2020/05/31 11:40
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
「今、自分に凄くナチュラルな感覚が戻ってきている印象を受けています。“サッカー小憎”というか、チーム戦術に順応しながら自分の特徴を出す。自分勝手ではなくて、チームの勝利のために、素直な自分を出せる手応えを感じています」
プロ3年目を迎える湘南ベルマーレのMF松田天馬は、5月25日に行ったリモートインタビューでこう話し、笑顔を見せた。ちょうどこの日に首都圏の緊急事態宣言が解除され、長い自粛期間を経て、チームのグループ練習が始まろうとする時だった。
2月21日のJ1開幕戦、彼の姿はスタンドにあった。トルコ・スペインキャンプ中に足首を負傷し、復帰したのが開幕戦の約1週間前だったため、この試合は間に合わなかった。
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「相手(浦和レッズ)もまだ(チームとして)出来上がっていませんでしたが、新しいフォーメーションでここまでやれたことに対し、チームとしての伸びしろを感じました。僕が入っても新しいことができるなと思いましたね」
焦りがないのは「昨年の経験が大きい」
昨年10月に就任した浮嶋敏監督は今季、【3-4-2-1】から、3ボランチを置く【3-5-2】にシフトチェンジ。昨季はボランチと2シャドーの一角としてチーム最多の32試合に出場した松田は、今季もいずれかに入ることは予想される。だが、まだ明確なポジションは定まっていない。
「(新システムは)攻撃面で特徴を出せる回数が増えると思います。中盤の人数がかなり多いので、どこに入っても違和感なくプレーできる自信はあります。それはやっぱり昨年の経験が大きいですね」
この手応えをプレーで表現する前に、リーグは新型コロナウィルス感染拡大の影響でストップをしてしまったが、松田に焦りは感じられない。それは彼の口から出たように「昨年の経験」が大きいようだ。