Overseas ReportBACK NUMBER
非常事態はドーピング検査もZoom!?
アメリカ発の新しい手法に期待。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAFLO
posted2020/05/06 11:40
勝利が大金と名誉をもたらす限り、スポーツとドーピングのいたちごっこが終わることはないのかもしれない。
これまでは居留守を使う選手もいた。
米国反ドーピング機関は、数年前からオンラインを使用したドーピング検査の導入を進めてきたが、今回のコロナ禍で、予定よりも早く採用することを決定。
「最初は選手とのやり取りがスムーズにいかないこともありましたが、お互いになれてきて、現在は迅速に進められています」と担当者は話す。
このプロジェクトが成功したら、次はほかの選手たちにも導入することになるだろう。これまでは居場所情報をきちんと登録しなかったり、登録した場所にいなかったり、居留守を使って競技会外検査をすっぽかす選手もいた。
玄関のインターホンが壊れていた、朝早くに家族を起こすのが嫌だったから返事をしなかったなどと言い訳をして、競技会外検査を受けなかった選手も過去にいたが、そういった言い訳も通用しなくなるだろう。
残念ながらスポーツ界は禁止薬物を使用する選手が後を絶たず、反ドーピング機関とつねにイタチごっこを繰り返している。このオンライン抜き打ち検査が、薬物違反をする選手たちを捕まえる1つの方法になるのか、要注目だ。