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井上尚弥のラスベガスデビューは夏?
怪物狩り目論むカシメロ陣営を直撃。 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byHiroaki Yamaguchi/AFLO

posted2020/04/28 11:40

井上尚弥のラスベガスデビューは夏?怪物狩り目論むカシメロ陣営を直撃。<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi/AFLO

本来であればラスベガスデビューを飾る予定だった井上尚弥。カシメロとのバンタム級3団体統一戦は実現するか。

収入源のメインは放映権料。

 数カ月以内にアメリカでのボクシング興行が可能な流れになったとして、ギボンズが指摘する井上対カシメロ戦実現への必要条件は2つ。

 まずは前述通り、米国の渡航制限が緩和され、井上の渡米が可能になるかどうか。もう1つはカシメロ同様、井上サイドがスタジオ内での無観客興行への出場をよしとするかどうか。

 一般的に、無観客興行では選手たちがチケット売り上げの分の減収を覚悟しなければならないと見られている。ただ、井上対カシメロ戦の入場料はもともと安価に設定されており、メインの収入源はゲート収入ではなくトップランク社と独占契約を結ぶESPNの放映権料。そんな背景もあって、ギボンズは「今のところ選手の報酬が大きく変わるという話は聞いていない」という。だとすれば、すでに現地入りしているカシメロがたとえ無観客でもリングに立ちたいと考えるのは当然だろう。

井上側にメリットはあるか。

 井上側はこれらの条件をどう考えるのだろうか。

 米国渡航が可能になったとしても、入国直後に隔離を命じられる可能性もあり、調整の難しさがネックになる。無観客興行では米リング進出の華やかさは薄れるだけに、情勢が落ち着くまで仕切り直しを図るのも良いだろう。

 一方で、MLB、NBAなどの早期再開は難しく、アメリカのスポーツ全体が壊滅状態の中で、日本の“モンスター”が米リングに立てば注目度は必然的に高くなる。ESPNの強烈なプッシュも望めるだけに、少人数の立ち入りしか許されない興行でも出場するメリットは少なからずあるに違いない。

【次ページ】 早ければ7月がターゲットに。

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