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志村けんさんとFC東京の一期一会。
「変なおじさん」味スタ降臨秘話。

posted2020/04/19 11:50

 
志村けんさんとFC東京の一期一会。「変なおじさん」味スタ降臨秘話。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2014年3月8日、味スタに現れた「変なおじさん」。スタンドのサポーターはもちろん、選手も審判も笑わずにはいられなかった。

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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J.LEAGUE

 志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で天国に旅立った翌日、FC東京の公式サイトに「ご逝去のお知らせ」が掲載された。

「東京都東村山市出身の志村けんさんが2020年3月29日(日)にご逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。志村けんさんには、2014年3月8日のホーム開幕戦ゲストとして味の素スタジアムにご来場いただき、スタジアムを盛り上げていただきました」

 キャラクターの「変なおじさん」姿で登場したイベントの写真も添えて。森重真人に花束を贈呈した写真では、アイ〜ンと一発。森重も後ろの審判団も笑っている。

「だっふんだ!」の決めゼリフに、みんなが転ぶ。

 筆者もこの日、味スタにいた。

 ドリフターズはど真ん中の世代。いやいや、世代は関係ないのかもしれない。登場しただけで「おーっ!」と、瞬間的、自然発生的にドッと笑いと拍手がスタジアムを包むのだから。

 もう一度、あのイベントを詳しく振り返ってみたい。

 大型ビジョンに「SPORT(スポルト)」のジョン・カビラさんの名調子で「ジャパーン、ケン、シムーラ、ヒガシムラヤマ」と紹介され、アナウンサーの本田朋子さんがまず登場。前振りをしている段階で、変なおじさんが背後から抱き着いて「キャーッ!」との悲鳴がとどろく。

 そこを警備員姿のダチョウ倶楽部・肥後克広さん、お笑いタレントのゆってぃさんに制止され、「♪変なおーじさん」と体をクネクネしながら踊り出す。

 その瞬間、一段と大きな笑いが起こる。そして手拍子の大合唱だ。「だっふんだ!」の決めゼリフに、みんなが転んでハッピーエンド。「FC東京、頑張ってくださ〜い」とエールを送って、足早に消えていった。

【次ページ】 久留米高校サッカー部と知ってはいたが……。

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