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ラグビー界の英雄オドリスコル。
長嶋茂雄のような華と残した言葉。
posted2020/04/10 11:40
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph by
AP/AFLO
1999年6月。後にアイルランドラグビー界最大の伝説となる20歳のCTBブライアン・オドリスコルは、代表チームのオーストラリア遠征でテストマッチデビューを果たした。
2014年シックスネーションズ最終節フランス戦での代表引退までに積み重ねたキャップ数は133、トライ数は46と、共に同国代表歴代最多。欧州ラグビーの最高峰、シックネーションズの出場試合数65、トライ数26という記録も、大会最多として堂々と輝く。
4年に一度、アイルランド、イングランド、ウェールズ、スコットランド代表の選手から選抜されるブリティッシュ・アイリッシュ・ライオンズの南半球遠征にも、'01年から4度参加。遠征先(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)のフル代表との試合で認定される“ライオンズキャップ”も8つ獲得しており、アイルランド代表としてのキャップと合わせた141は、'14年の代表引退の時点では世界最多であった(ちなみ2019年4月時点では、1位はニュージーランドのリッチー・マコウの148、2位はウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズの147、3位はイタリアのセルジョ・パリッセの142で、オドリスコルは4位となる)。
所属したレンスターでも輝しい実績。
所属クラブは、ダブリンにその本拠地を置くレンスターひと筋。15年間に渡るプロ選手としてのキャリアで、リーグ優勝4回、欧州クラブ選手権優勝3回と、クラブでの実績も燦々と輝く。プレーしたチーム全てで主将を務め、アイルランド、欧州だけでなく、世界のラグビー界に数多くの輝かしい記録を刻みつけた、伝説の名選手。
ここでは、こうした輝かしい記録だけでなく、記憶にも残るエピソードの幾つかを紹介しよう。