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史上最年少13歳で世界ツアー連勝──。
伊藤美誠&平野美宇、五輪への思い。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2020/04/06 20:00
女子ダブルスでワールドツアー史上最年少優勝を果たして帰国し、記者の質問に答える伊藤美誠(左)と平野美宇。
2人とも五輪を強く意識。
大きな注目を集めたのは、2020年に東京でオリンピックが開催されることが決まった翌年であったことも大きかった。「東京の星」として、期待を集めたのだ。
当の2人も、オリンピックを強く意識していた。
東京での開催について尋ねられると、伊藤はこう答えた。
「ロンドンオリンピックの団体の銀メダルに感動しました。今度は自分たちで金メダルを取って、感動を与えられるように頑張りたいです」
平野も言った。
「お世話になった方々が見に来てくれると思うので頑張りたいです」
ただの憧れではなく、明確な目標としてすでに見据えていた。
重圧をプラス材料にする強さがあった。
そしてこの遠征での好成績は、未来へのたしかな手ごたえとなっただろう。
結果を出したことへの自信もそうだし、これ以降、将来を担う逸材として、2人は常に取り上げられ、注目されるようになった。
それは期待の表れでもあった。
期待されることで、ときに重圧を感じる選手も少なくはない。でも伊藤と平野は、注目と期待にただ押しつぶされることなく、むしろプラス材料とする強さがあった。
このときの遠征後、伊藤と平野はときに波もありながら、階段を上ってきた。
伊藤は2016年リオデジャネイロ五輪の団体の代表に選ばれ、銅メダルを獲得する。
対する平野は、リオの代表には選ばれなかったがサポートメンバーとして同行。練習の手伝いなど懸命に支えつつ、会場内で伊藤らがメダルを獲得する試合を目にした。