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柳田将洋が語った「4年に1度」。
五輪延期でも準備と思考は止めない。
posted2020/04/01 18:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
東京五輪の1年延期が決まった。新型コロナウイルスという大方の人間にとって予想外の難敵は、世界最大のスポーツの祭典の4年に1度というスケジュールすら動かしてしまった。
この新型コロナウイルスと、五輪そして各種スポーツや文化イベントのスケジュールは切り離して考えることができなくなっている。
当然のことながら、五輪出場が予定されていた選手たちは大きく直接的な影響を受けることになる。バレーボールもしかり。日本代表の主将を務める柳田将洋は延期について
「延期なのかなとある程度は思っていましたけど、あらためて決定を受けてショックのような気持ちはありました」
と複雑な心境を明かした。
柳田にとって欧州3シーズン目となる2019-20シーズンは、ドイツ1部のユナイテッド・バレーズでプレーした。だが、3月11日にメルケル首相が新型コロナウイルスに関する会見で感染拡大を遅らせるよう呼びかけたことを受け、翌12日にはリーグ戦の打ち切りが発表された。
同日、ドイツでは冬の人気スポーツ、アイスホッケーブンデスリーガもシーズン半ばにして終了することが発表された。
複数年計画でステップアップしてきた。
東京五輪に向けた複数年計画をたてていた柳田は、予定通り着実にステップアップを果たしている。1シーズン目はドイツ1部の中堅から下位に位置するビュールでポジションを取り、2シーズン目はリーグ自体のレベルが上がるポーランドリーグのクプルム・ルビンでプレーした。
3シーズン目となる今シーズンはドイツに戻り、1シーズン目とは違いリーグで上位争いができ、かつ欧州戦に出場できるユナイテッドとの契約をもぎとった。負傷離脱を挟みながらも、レギュラーとして上位チームでプレーする充実のシーズンを送っていた。
チームとしても1月から8連勝し、この調子を維持したままプレーオフに突入したい……、といった矢先の打ち切りだった。