Jをめぐる冒険BACK NUMBER
“J7”ながらJ百年構想クラブ入り。
南葛SCとキャプテン翼と葛飾の夢。
posted2020/03/22 20:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Akihiro Serikawa
今、東京のサッカーシーンがすこぶる熱い。
東京をホームタウンとして活動するJクラブは、FC東京、東京ヴェルディ、FC町田ゼルビアの3クラブだが、彼らに続けとばかりに、将来のJリーグ入りを目指す東京のクラブがここ数年、急増しているのだ。
横河電機サッカー部を母体とし、JFLの強豪として君臨する東京武蔵野シティFC(JFL所属/武蔵野市)。
「バウル」の愛称で親しまれた土屋征夫が監督を務める東京23フットボールクラブ(関東1部所属/東京23区)。
元日本代表DFの岩政大樹がかつて所属した東京ユナイテッドFC(関東1部所属/文京区を中心とした東京23区)。
元浦和レッズのGK岩舘直が加入したCriacao Shinjuku(関東1部所属/新宿区)。
名古屋グランパスなどで活躍した阿部翔平がプレーするTOKYO CITY FC(東京都2部所属/渋谷区)。
さらに、エリース東京FC、八王子FC、アローレ八王子、スペリオ城北、江東ベイエリアFCなどが続く。先日は本田圭佑が「東京から世界に影響を与えられるサッカークラブを創りたい」と、ONE TOKYOを立ち上げたばかり。これはもう、ちょっとしたムーブメントと言っていい。
大空翼と「南葛SC」とJ百年構想。
そんな群雄割拠の東京サッカーシーンで、夢の実現に大きく近づいたクラブがある。
葛飾区をホームタウンに活動する南葛SC(東京都1部)だ。
この名前にピンとくるサッカーファンも少なくないだろう。
『キャプテン翼』の主人公、大空翼の小学生時代のチーム名とまったく同じ――。
漫画の舞台は静岡県南葛市という架空の街だが、そのモチーフは、作者である高橋陽一氏が生まれ育ち、今も暮らす葛飾区。南葛の名前は、高橋氏の母校である南葛飾高校にちなんでいる。
2013年、葛飾区で活動していた葛飾ヴィトアードが高橋氏を後援会長に迎えて南葛SCとして生まれ変わり、本格的にJリーグ参入を目指すことになった。
その南葛SCが2月25日、「Jリーグ百年構想クラブ」として承認されたのだ。