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オープン戦好調も慢心なし。
筒香は“引き出し”を磨き続ける。
posted2020/03/12 17:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
見知らぬ土地、異文化に身を置いても、動じることはなかった。レイズ筒香嘉智外野手が、力強い第一歩を踏み出した。オープン戦初打席で初安打を放つと、翌日の第2戦では左中間の電光掲示板を直撃する豪快な初アーチをたたき込んだ。2四球を含め、デビュー2試合で4打席連続出塁と、文句なしのスタートだった。それでも、試合後の筒香は嬉しそうな素振りさえ見せなかった。
「もちろん悪い結果よりいい結果の方がいいに決まっていますけど、あくまでもシーズンですから」
言葉だけを拾えば、優等生的な常套句に聞こえるかもしれない。ただ、筒香の場合、紛れもない本音だった。メジャー1年目でもあり、オープン戦でのアピールが必要かもしれない。それでも、目先の結果だけを求めることなく、筒香は自分の引き出しを徐々にテストすることを最優先にしていた。