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錦織と西岡欠場でデ杯3連敗の屈辱。
内山靖崇の悔しさは次に生きるか。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2020/03/09 20:00
新型コロナウイルスの影響で錦織圭と西岡良介の2人が参加できなかった日本。内山靖崇はエースとして悔しさを味わった。
錦織に西岡、杉田、ダニエルが欠場。
一方の日本はどうだったか。
右ひじのけがの回復が遅れている錦織が結局、出場できず、ランキング48位で日本選手の2番手西岡良仁も開幕直前にチームを外れた。次の遠征地、米国が日本人の入国を制限する可能性も考え、早めに現地入りしたいと申し出たのだ。岩渕聡監督は選手の意思は最大限尊重するとしながら、チーム編成が「いつも以上に難しかった」と打ち明けた。
最終的に日本は錦織、西岡のランキング上位2人と、デ杯での経験が豊富な杉田祐一、ダニエル太郎らを欠いてエクアドルに挑まなければならなかった。
完敗の責めを負うべきは、まず、エースの重責を担った内山だ。
岩渕監督は開幕前日のエントリーで、シングルスランキング最上位の内山を単複3試合に登録した。負担は大きくなったが、内山は「まず、(初日の)シングルスを全力で戦う。3セットマッチなのでそこまで体の負担はない。デ杯はいつも以上にエネルギーが出るので疲労が出ることが考えられるが、1試合ずつ、1ポイントずつ全力を出し、体力が尽きたら(控えに)頼もしい若手がいる、くらいの気持ちで戦いたい」と全力投球を宣言した。
「紙一重」の敗戦ではあった。
しかし、その初日のシングルスで276位のキロスに最終セットのタイブレークで敗れてしまう。失うもののないキロスがアグレッシブにプレーしたが、内山も「終盤は気持ちを前面に出して戦った。少しでも気持ちで引いてしまうと相手に入ってこられるので、押し返す気持ちで戦った」と気力で戦った。内山自身が振り返ったように、確かに「紙一重」の敗戦ではあった。
第1試合の添田豪も敗れており、この時点で日本は0勝2敗、勝つには最終日の3連勝しかない。早くも崖っぷちに追い込まれた。