Beyond The GameBACK NUMBER

人の死をいかに語るか。
~死者を鞭打つな、の正当性~

posted2020/03/09 15:00

 
人の死をいかに語るか。~死者を鞭打つな、の正当性~<Number Web> photograph by Getty Images

人生の影の色は、もしかしたらスーパースターほど濃いのかもしれない。

text by

藤島大

藤島大Dai Fujishima

PROFILE

photograph by

Getty Images

 死者に鞭打つな。亡き人の批判はよせ。道徳というよりは大昔からの知恵だろう。

 個人的にはあやかりたい。でも先日、釘を刺された。

「それは歴史家とジャーナリストを除く人々にとっては素晴らしいルールだ」

 ジャーナリズム従事者はときに死者の負の側面を伝える。米国のワシントン・ポスト紙のエリック・ウェンプル記者が同僚を擁護するコラムに記した。

 顛末はこうだ。

 同紙の内政担当記者、フェリシア・ソンメズは、NBAの元スーパースター、コービー・ブライアントのヘリコプター事故での死の数時間後、このヒーローの「性的暴行疑惑」について他媒体の過去の記事を紹介するかたちでツイートした。ひどく非難された。脅迫もされる。社の幹部は「間違った判断、仲間の仕事を傷つけた」と投稿削除と休職を命じた。これに対し、職場の内外に疑問の声が上がり2日後に復職を認められた。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 888文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

#コービー・ブライアント

バスケットボールの前後の記事

ページトップ