炎の一筆入魂BACK NUMBER
ドラ1森下暢仁は本当に「良い」?
カープのエース大瀬良の答えは……。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2020/03/03 19:00
大分商高、明大を経てドラフト1位で入団。3月1日の中日とのオープン戦では3回1安打無失点。
“持っている”新人の可能性。
欠点ではないものの、森下の活躍を不安視する声のひとつに「スタミナ面」を挙げる人もいる。大学までの春秋のリーグ戦と異なり、プロ野球のシーズンは長い。そこで安定した投球ができるかどうかという不安……。
ただ、今年のシーズンは東京五輪が開催されるため、7月19日から約1カ月中断される。練習試合が行われるとはいえ、プロ1年目の先発投手がまず肉体的な蓄積疲労を痛感させられる夏場に再調整期間が設けられることも大卒の森下には追い風のように感じてならない。
佐々岡真司新監督が現役時代に背負っていた18番を託され、プロ野球の扉を開く。理想は「勝てる投手」であり、目指すべきところも同じ。
「勝てる投手にならないといけないと思っています。結果がすべての世界。勝たないと意味がないと思って、マウンドに上がりたい」
欠点がないことが欠点にもなるのがプロ野球の世界。これまで戦ってきた舞台とはレベルが違う。これからもきっと幾多の困難が待ち受けているだろう。
ただ、それをも乗り越えるだけの技術、力、精神力を“持っている”。それだけの可能性を感じさせる、黄金新人の春だった。