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錦織圭復帰戦が無観客、IMGは……。
新型コロナ禍に直面するテニス界。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2020/02/28 11:00
デビス・カップ予選の会場となる兵庫のブルボン・ビーンズドームだが、無観客での開催となった。
IMGアカデミーは“訪問禁止”に。
また、今は中国の選手だけが直面している問題に、いつ日本選手がぶち当たるかわからない。
現在、日本からの渡航を制限している国でプロの国際大会を開催しているのはイスラエルだけだが、さらに増える可能性はあるし、「そうなる前に、日本政府は日本人の海外渡航を禁止・制限すべし」という専門家の意見も目にする。
自分たちが<拒否>されるという現実に軽いショックを受けたのが、錦織も所属する米国フロリダ州のIMGアカデミーが、日本を含めた東アジアの国々からの訪問を禁止する措置をとったことだった。
これによって、4月6日に同アカデミーで予定されていた錦織の「メディア・デー」が中止になった。なかなか復帰が叶わない錦織のようすを知りたい数々のメディアからの要望を受けて、練習やトレーニングを公開し、記者会見も行なわれるということだったが、その通知からわずか10日後のキャンセルだった。
5月のイタリア国際が当面の心配。
文面には「CDC(アメリカ疾病対策センター)、ジョンズ・ホプキンズ大学、WHO(世界保健機構)からの報告を聞いての判断」「我々の選手、スタッフを守るための最善策」などとある。アメリカにすら入れなくなるという状況もありえない話ではない。そんなムードが感じられる。
それから数日のうちに、ヨーロッパでもアメリカでも感染患者の数は次々と増え、もう中国とかアジアとか言っている場合ではなくなった。
今、感染者が多い国や地域のトップ5のうち、中国、韓国、日本、イタリアにはATPとWTAのどちらか、あるいは両方の大会がある。アジア・シリーズは秋なのでまだ時間があるが、5月にローマで開催される男女共催の『イタリア国際』が今は心配だ。