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八村塁の活躍はルーキーで何番目?
他の1巡目選手と数字を比較すると。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byAP/AFLO
posted2020/02/21 08:00
八村塁の得点数は1巡目ルーキーで3番目の好成績。リバウンドなども含め、ゴール下での存在感はかなり優秀だ。
同じパワーフォワードで比べると?
ただ、バスケットボールの場合、得点にしても成功率にしても、ポジションによって違ってくるので、同じポジションのプレーヤー同士で比べてみないと、ほんとうの価値は見えにくい。八村のポジションはパワーフォワード、ゴールに近いところでの得点とリバウンドが重要な仕事だが、場合によってはゴールから離れて3点シュートを打つこともあるポジションだ。
ドラフトの20番目指名までの中で、パワーフォワードとしてゲームに出場しているルーキーは、八村以外では1番目のウィリアムソン、11番目のカメロン・ジョンソン(フェニックス・サンズ)、12番目のP・J・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ)ということになる。4人の1試合あたりの成績を比較してみると、次のようになる。
ウィリアムソン 22.1点 57.6% 7.5リバウンド 2.2アシスト
八村 13.9点 48.7% 6.0リバウンド 1.5アシスト
ジョンソン 7.7点 41.1% 2.9リバウンド 1.1アシスト
ワシントン 11.7点 46.3% 5.5リバウンド 2.0アシスト
総合して見た場合、八村はルーキーの中で、パワーフォワードとしてはウィリアムソンに次ぐ成績を残していると言っていいだろう。
勝ち試合で使われることの意味。
ただ八村の場合、伸ばしていきたいのが勝ち試合でのプレータイムだ。八村は勝ち試合でプレーしたのが11試合で、プレータイムは平均で27.0分と、全試合のプレータイムの平均である28.8分よりはちょっと少なくなっているのだ。
ウィリアムソンは勝ち試合の平均で27.8分、ワシントンは33.0分なのだ。勝ち試合でのプレータイムが伸びてくると、チームで果たしている役割の重要性が、より大きくなっていくと言える。
パワーフォワードの成績としては、ルーキーとしてはウィリアムソンに次ぐものだが、ほかのポジションのルーキーとも比べてみると、13.9得点は3番目、6.0リバウンドはウィリアムソンに次いで2番目、1.5アシストは15番目だ。
試合中の故障で休養したため、出場がまだ30試合というのは残念なことだが、総合して見れば、ドラフト1巡目9番目で指名されたルーキーとしては、十分に優れた成績を残していると言えるだろう。