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棚橋&ライガー、思い出の入場とは。
武藤戦での涙と「3頭身」仮面?
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byShunsuke Mizukami
posted2020/02/15 12:00
棚橋弘至と獣神サンダー・ライガー。新日本が誇る愛されレスラーは入場エピソードも最高だ。
ライガーにとっての「最悪の入場」。
――ライガーさんにとって、印象深い入場は?
ライガー あまりないんですよね。「最悪の入場」を挙げるとすれば、'97年の東京ドーム大会かな。マスクの上に、鬼のような仮面をつけて入場したんだけど、その仮面のサイズがデカすぎて、モアイ像みたいになっちゃって(笑)。
棚橋 3頭身みたいな(笑)。
ライガー そうそう。まさに3頭身! 目のところが赤く光っているんだけど、そもそも目の部分が小さくて、どこにあるのかわからない。リング上にいた坂口征二さんには「これ、何がついてるんだ」って覗き込まれるし、視界が狭いからコーナーポストに上がろうとしてもロープが見えない。やばいと思いながらも、どうにか上がったんだけど、今度は下が見えない。よいしょって、ゆっくり下りるわけにもいかないから、最後は勘で飛び降りたよ。
棚橋 いいですねぇ、「最悪の入場」(笑)。それなら僕は、まだヤングライオンの時代に、ある体育館で花道を勢いよくダッシュしたんです。そうしたら、段差があって。それに気づかず、どわーってこけて(笑)。
ライガー わはははははは。
先輩に「段差があるんで」と報告。
棚橋 自分でも「うわ、こけたー! どうすればいいんだ?」って思ったんですけど、再び走り出しました。
ライガー それはそれで、ファンも盛り上がるよね。
棚橋 第1試合だったので、控室に戻って先輩方に報告しました。「段差があるんで気をつけてください」って。
ライガー 貴重な体験談としてね(笑)。
棚橋 第1試合のヤングライオンで良かったです。入場テーマ曲に関する対談でしたけど、こんなオチでいいんですかね(笑)。
ライガー プロレスラーの入場にとって、曲も大事だけど、「段差」も大事だってことだね。