炎の一筆入魂BACK NUMBER
「3番は丸さんのイメージが強い」
カープで高まる西川龍馬への期待。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNanae Suzuki
posted2020/02/12 11:40
外野に挑戦した昨季は打率.297、16本塁打、64打点と打力を開花させた。
リーグ6位の打率に、本塁打も増加。
入団時から打力の高さには定評があり、1年目から左の代打として重宝された。
2年目はプロ初本塁打を含む5本塁打と進化を見せた。
3年目の2018年シーズン終盤に悪送球や失策が目立つようになり、つかみかけていた三塁のレギュラーからも遠のいた。
誰もが認める打力を生かすため、同年秋から外野に挑戦。昨年は外野の定位置を奪って自己最多138試合に出場し、規定打席に到達してリーグ6位の打率2割9分7厘を残した。前年と同数の3三塁打を含めれば長打もすべて自己最多。1年目0本だった本塁打は16本まで伸びた。
チーム内の序列も変わった。
プロでの足跡からも、打撃に年々パワーが備わっていることがわかる。今オフも昨季終了時の体重72キロから77キロに増量。初めてピラティスを取り入れるなど体幹から強化した。極端な増量でバランスを崩すリスクは回避しながら、長打力を磨いている。今キャンプで意識するのも力強さだ。
「(意識しているのは)タイミングと強さ。スイングの強さ。追い込まれるまでは、あまりもったいないスイングはしたくない」
7日の第2クール初日のシート打撃でも2打数1安打。凡打も進塁打にするなど、まだ初期段階とはいえ結果とともに内容ある打席を続けている。
変化は打席内だけではない。今キャンプでは新人宇草に身ぶり手ぶりで場所によって異なるティー打撃のやり方を教え、シート打撃の合間には助言を求めた中村奨成に素振りで手本を見せてみせた。
立場が人を変える。チームメートで同学年の鈴木誠が好例だが、西川もチーム内での立場を着実に上げていかなければいけない。