酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
生涯打率1位・青木宣親なら狙える。
最年長39歳シーズンでの首位打者。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2020/02/12 07:00
日米通算で積み重ねた安打は2300本を優に超える。青木宣親はイチローに次ぐ21世紀のヒットメーカーだ。
最高齢の首位打者は36歳シーズン。
不思議なことに、これだけ高打率の記録が並んでいながら、当該シーズンの打率順位は岩本、落合、辻、1972年のアルトマンの各リーグ2位が最高。首位打者はいなかったのだ。
首位打者の最高齢は、1979年のミヤーン(大洋)、1989年のクロマティ(巨人)、2008年のリック(楽天)の、36歳となるシーズンだ。
青木は今季、「最高齢での首位打者」を目標の1つに設定してもいいと思う。
ホークス柳田が実はライバル?
通算打率での当面のライバルは前述のとおり、1980年代に活躍したレロン・リーだが、潜在的なライバルとなる可能性がある現役選手がいる。
今年からチームと7年契約を結んだソフトバンクの柳田悠岐だ。
柳田は現在、3003打数958安打の打率.319。昨年こそ左膝裏損傷で、シーズンの大半を棒に振ったが、それ以前の5シーズンの打率は.317、.363、.306、.310、.352と確実に3割以上をマークしている。
年齢は今年10月で32歳。打者としては脂の乗り切った盛りだ。ここから打率を上げてくるとともに、2021シーズン終盤には4000打数に乗って、青木と競り合いを演じるだろう。
このコラムでは通算打率の基準が「打席」ではなく「打数」なのはおかしいと言ってきた。その考えは変わらないが、「4000打数」という線引きの前提で、こういうデッドヒートが起きるのは興味深いことではある。
2年後、青木宣親が40歳のシーズンを迎えたとしたら、33歳の柳田悠岐とどんな生涯打率争いを繰り広げるのか。これも楽しみにしたいと思う。