プロ野球亭日乗BACK NUMBER
筒香嘉智の“ラストメッセージ”。
野球をやる子供を増やす方法とは?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/01/22 11:50
1月18日、出身地の和歌山県橋本市で開かれた交流イベントに参加した筒香。メジャーに行っても少年野球への関わりは続ける。
1人の日本人の野球人としての思い。
自身は昨オフにポスティング制度を使ってのメジャー挑戦を表明。12月にはタンパベイ・レイズと2年総額約13億円で正式契約を結び、2月にはいよいよ米国での新たなチャレンジがスタートする。
これまでもシーズン中は自分のプレーに集中し、なかなか子供たちのために直接的な行動はできなかった。それでも横浜高校の同級生で「チーム・アグレシーボ」のヘッドコーチを務める佐野誓耶(せいや)さんから、逐一報告を聞いて日常的にチームへの関わりを持っていた。
それも渡米すればなかなかできにくくなっていくはずだ。
「アメリカに行っても子供たちの野球を見る機会があれば勉強して、参考になることがあれば取り入れたいと思います。1人の日本人の野球人として日本の野球界がより良くなればという思いに変わりはない。
シーズン中はなかなかできなくなりますが、これからもオフシーズンには協力させていただきたいと思っています」
子供たちが指導者を選べるように。
プレーヤーとして一つの区切りを迎えるのは確かだが、野球人としての筒香の発言がこれで終わる訳ではない。
「僕は堺ビッグボーイズだけが良くなればいいという思いでもない」
筒香は言う。
「日本全国にこういう取り組みが広がって、実践していくチームが1つでも増えて欲しい。理想は近くにいい指導者がいて子供たちが指導者を選べる。もっともっとそういう指導者の数も増えて、子供が親と相談して選べることだと思います」
野球をやる子供たち、これから野球をやろうと言う子供たちの保護者と指導者へ、筒香が渡米前に残したラストメッセージである。