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Bリーグ後半戦の台風の目になるか。
久しぶりに強い、大阪エヴェッサ。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2020/01/10 11:30
今季、琉球から大阪に移籍し主力の一人として活躍するアイラ・ブラウン。帰化選手として3人制バスケ「3×3」の男子日本代表合宿にも参加している。
内外をこなせるオールラウンドな能力。
内外をこなせるそのオールラウンドな能力を見込んだ天日ヘッドコーチは、ブラウンを外国籍選手2人と同時にスターターとして起用。
積極的に速攻に参加するブラウンが対戦相手の脅威となっていることは間違いなく、当の本人も自身の存在がアドバンテージになっているという自覚がある。
「僕も外国籍選手も、誰がスコアするかということを気にせず、パスを回す意識が高い。
他のチームの帰化選手は4番(パワーフォワード)か5番(センター)ポジションの選手が多く、外国籍選手と同時にプレーすることが難しいし、かといってガードの外国籍選手を獲得してしまうと日本人選手のスポットを奪ってしまうことになる。
僕のように3番(スモールフォワード)と4番の両方ができる帰化選手がいることはチームの強みだと思います。ここには良いコーチもいるし、以前から在籍している選手のことも知っていて、自分がこのチームにフィットできるという自信は最初からありました」
「『東京』って意識してしまう」
順調に白星を重ねてきた大阪に、12月の最後の試合で今シーズン初の同一カード連敗という壁が立ちはだかる。
大阪の前に仁王立ちしたその相手は、リーグ2連覇中のアルバルク東京。大阪は持ち味である速攻での得点が伸びず、王者の牙城を崩すには至らなかった。しかし、そのスコアは66-67、55-62といずれも僅差。ディフェンスの出来は満足いくものだったと、天日ヘッドコーチも語る。
「僕も含めてチーム全体が『東京』って意識してしまうんですが、ディフェンスは機能していました。
負けはしたんですが、1戦目は8つくらいレイアップを外している。そういうところをちゃんとすれば、僕らはチャンピオンコンテンダー(競争相手)になり得る存在。『我々はチャンピオンシップを取れるチームだ』と言い切ることはしませんが、その可能性は十分に持っているチームだと思うんです。
それを確認できたことは選手たちにとっては大きいんじゃないかなと思います」