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石川祐希が、実は最近気づいたこと。
「“あ、もう24歳なのか”ぐらい」 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byItaru Chiba

posted2019/12/29 19:00

石川祐希が、実は最近気づいたこと。「“あ、もう24歳なのか”ぐらい」<Number Web> photograph by Itaru Chiba

石川祐希は世界最高峰のセリエAでも引く手あまたである。彼が日本代表にもたらすものはとてつもなく大きい。

多くのオファーから、パドバを選んだ。

 今季所属するイタリア、セリエAのパドバは'18-'19にセリエAで7位の中堅チームで、昨季所属していたシエナよりもレベルは高い。

 昨季オフには、セリエAの半数以上のチームからオファーが届いたというが、石川は「昨季よりもレベルの高いチームで、かつスターティング6に入れるチーム。今の自分にとっては最もステップアップできる」とパドバでのプレーを決断した。

 もちろん、さらに強いチームでチャレンジする選択肢もあった。しかし、現時点では得策ではないと判断しての冷静な決断だった。

「プロ選手である以上、評価されるためにはまず試合に出場しなければ意味がありません。なのでまずプレーできるチームを選ぶことが最も重要で、そのなかで自分がステップアップするためにどのように取り組むべきかが大事だと考えました。

 もちろん、強いチームでプレーしたい気持ちはありますが、今季はトライするタイミングではないかなと」

セリエAでの通算出場は100を突破。

 パドバでは開幕から全試合に出場し、ゲームMVPにも3度輝いている。12月26日のザイツェフやアンダーソンら、世界トップレベルの選手を集める強豪モデナ戦では16得点を獲得。サービスポイント5本を決め、チームは3-1で勝利し2019年を最高の形で締めくくった。

 実はリーグ戦以外も含めると、石川は3カ月の短期留学でプレーした'14-'15シーズンからセリエAでの通算出場試合数を100試合の大台に乗せている。

 あくまでも数字にすぎず、大事なのはその内容なのだが、石川は「世界のトップ選手が集まっているセリエAが自分にあっていると思うし、そこでトップを目指すことが、今自分がやりたいこと」と公言しているだけに、今後もその数字は1つの指針になる。また、その積み重ねは世界最高峰リーグで戦っていく彼の1つの自信や確信となるだろう。

【次ページ】 気づけば24歳「時間が早い」。

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