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鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、
フィギュア次期エースを争う闘い。 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/01/02 20:00

鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、フィギュア次期エースを争う闘い。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

氷上ではライバル、リンクを降りればよき友、という関係の鍵山(左)と佐藤。演技後、お互いを称え合う姿をこれまでも見せてきた。

技術点はなんと宇野や羽生を抜いて首位。

「もともと音楽聴くのが好きだし、踊るのも好き。自分の性格も合わせると楽しい感じの曲が合うと思って、映画『タッカー』の曲を選びました」と鍵山。

 まさに彼の持つリズム感を生かし、洒落た演技がふんだんにちりばめられたジャズナンバーだ。高い演技構成点が狙える「十八番」ともいえる一曲が、彼の自信を支えた。

 先に滑った鍵山は、快心のパーフェクト演技を見せる。技術点は99.10点で、なんと宇野や羽生を抜いて首位。演技構成点も、5項目のうち4つが8点台とシニア並の得点をマークし、総合257.99点。

 非公式ながら、佐藤が持つジュニアの世界記録を上回った。

好きなキャラは、パンダとスヌーピー。

 一方、ショート3位のため最終グループ入りした佐藤は、6分間練習で、かつてない緊張感に襲われた。

「周りがシニアのトップグループなので、ジュニアと迫力が全然違う。羽生君と一緒だから頑張ろうと思ったけれど、羽生君の4回転ループを初めて間近で見て、圧倒されました」

 気持ちが萎縮してしまったのだろうか。本番では4回転ルッツで転倒。のこる4回転やトリプルアクセルはすべて降りたが、シニア勢を前に演技構成点が伸びず、フリーは6位。246.50点で総合5位となった。

 鍵山は、見事に逆転での銅メダルを獲得した。

「全日本ジュニアで優勝して、シニアの日本一を争うこの大会でもメダルを獲れたのは本当に嬉しい。表彰台はとても良い眺めでした。これからはてっぺんに登って最高の景色が見えるようにしたいです」。

 今季前半、2人はデッドヒートを繰り広げながら、ジュニアの限界値を引き上げてきた。次は世界ジュニア選手権(3月4~8日、エストニア)で、共に世界の頂点を目指す。

 好きなキャラクターは、佐藤がパンダ。鍵山はスヌーピー。プーさんの嵐のように、これからはパンダとスヌーピーが会場の空を舞う時代が来る。そんな予感のする、2人の若きエースの闘いが始まった。

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