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鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、
フィギュア次期エースを争う闘い。 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/01/02 20:00

鍵山優真と佐藤駿。ジャンプと表現、フィギュア次期エースを争う闘い。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

氷上ではライバル、リンクを降りればよき友、という関係の鍵山(左)と佐藤。演技後、お互いを称え合う姿をこれまでも見せてきた。

日本人として2人目の認定を受けた。

 そして本番、見事に4回転ルッツを成功。日本人として2人目の認定を受けた。

「4回転ルッツを頑張ったところから力がでて、身体が動いてきて、ノーミスを出来ました」と佐藤。4回転3本を成功するジャンプ内容で、ジュニア最高点となる255.11点で優勝を決めた。

 世界の報道陣に囲まれ、一気にヒーローになった佐藤。惜しくも4位になった鍵山は誓った。

「ジャンプを全部決めてきて、駿君はさすがだなと思いました。でも同時に、僕は、国際大会でたくさんのお客さんが入る中ですごく演技を楽しめたし、演技構成点は高く評価された。

(シニアの)全日本選手権は、ショートから4回転トウループを入れます。シニアでの表彰台を狙っているので頑張りたいです」

 羽生、宇野、髙橋大輔ら名だたる選手が出場するシニアの全日本選手権にむけての表彰台宣言だった。

『タッカー』という武器があった。

 そして迎えた12月20日、全日本選手権のショート。

 ジュニアとは違い、ショートから4回転を入れられるルールのため、佐藤も鍵山も4回転トウループを組み込んだ。

 佐藤はパーフェクトの演技で羽生、宇野に次ぐ3位発進。ジュニアGPファイナル王者の貫禄を見せる。鍵山は苦手とするトリプルアクセルが1回転半になってしまい、7位発進となった。

 しかし鍵山には、今季のフリープログラム、『タッカー』という武器があった。

【次ページ】 技術点はなんと宇野や羽生を抜いて首位。

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