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クラシコの魔性を生む10万人の力と、
最高に綺麗なカンプノウの夕焼け。
posted2019/12/18 11:40
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
10万人弱のキャパシティーを誇るカンプノウでの試合前には、たくさんの子供達が綺麗に整えられ、緑に輝くピッチの上でバルサの選手たちと一緒に集合写真を撮る事ができる。
メッシを間近にした子供達の目の輝きには何度見てもカメラを向けてしまう。
中にはメッシと肩を組むことになり、緊張で硬直してしまう子もいるが、そりゃそうだよねと、うなずきながらシャッターを押している。
誰に何と言われても生涯通じてのサポーターになっちゃうよなと思う。
スマホの無い時に訪れたカンプノウ。
初めてバルセロナを訪れたのは15年近く前、観光でだった。サグラダ・ファミリアやグエル公園、カサ・ミラなどはもちろんだが、バルサの本拠地カンプノウを訪れることが一番の目的だった。
パエージャやサングリアよりもカンプノウだった。
まだスマホは無く、紙のガイドブックを片手にメトロを乗り継ぎ、住宅街を通り抜けたどり着いたのは小さな古びたスタジアムだった。
カンプノウに通りを挟んで隣接するミニ・エスタディに到着してしまっていた。改めて向かったバルサのホームスタジアムは、やはり巨大で、当時の僕には威圧的でもあった。
当時は夢にも思っていなかったが、カンプノウで行われるほとんどの試合の撮影を10年近く続けてきた今、威圧感は微塵も感じず、自分のオフィスのようになった。良いところも悪いところも大体知ることができた。