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イニエスタ&ビジャが語るクラシコ。
「特別な試合」をバルサ目線で回顧。 

text by

谷川良介

谷川良介Ryosuke Tanikawa

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photograph byTakamitsu Yoshida / DAZN

posted2019/12/17 11:00

イニエスタ&ビジャが語るクラシコ。「特別な試合」をバルサ目線で回顧。<Number Web> photograph by Takamitsu Yoshida / DAZN

あのイニエスタ(右)とビジャが、12月18日(日本時間19日早朝)に迫るクラシコの魅力を解き明かしてくれた。

2人にとっての印象深い試合は?

 現在は遠い日本で生活する2人だが、今でもなおクラシコには特別な思いを抱く。そこで幼少期の思い出から、印象深い試合を振り返ってもらった。

イニエスタ 当時とは気持ちは違うね。(今でも)バルセロナに勝ってほしいし、みんなが喜んでいる姿を望んでいる。試合に出ているよりかは落ち着いてるよ。

 ただ、小さい頃に観ていたことはあまり覚えていないんだ。自分がクラシコに出る前のことは、あまり鮮明に覚えていない。でも、思い出せるのはクラシコには他の試合とは違う何かがあって、自分の地元や出身の町でこの試合だけは普段とは別の気持ちで見ていたということだね。

 正直に話すと、どれが最初の試合だったか答えられない。ホームだったのか、とか。ただ、これまで戦った多くのクラシコの試合を覚えている。勝ったのも、負けたのもね。

ビジャ 私はサッカーをプレーするのも好きだけど、観るのも好きなんだ。クラシコは事前にカレンダーに書いておくような重要な試合だね。同じ時間に試合がなければ、チームメイトや友達と一緒に試合を観る。これは非常に大切な試合なんだ。何度もテレビで観ていた試合だったから、プレーした時には自分を誇りに思ったよ。

 昔からサッカーを観るのが好きだった。このような試合の日は、いとこたちと家で集まる機会でもあったね。小さい頃の憧れの選手はルイス・エンリケ(現スペイン代表監督)だったんだ。憧れ以上に鏡で私を映し出すような選手であると思う。子供の時に彼のプレースタイルや熱意を見た時から、彼のような選手になりたいと思っていた。憧れでもあったし、目標でもあった。

メッシ、シャビのゴールも思い出深い。

イニエスタ 一番覚えているのは勝ったクラシコだね。なんだろう、今思いつくのはホームでの5-0で勝った試合(2010-11シーズン)とか、ベルナベウでの6-2の試合(2008-09シーズン)、あとは4-0の試合(2015-16シーズン)も。他の試合のことも良く覚えている。いい試合をいくつもしたからね。間違っていなければだけど、4-3の試合(2013-14シーズン)もあったし、それもいい試合だったよね。すべてがいい試合かな。

 もちろん、メッシのゴールの思い出は多いし、シャビのゴール、プジョルのヘディングでのゴールも覚えている。やっぱり自分が携わったプレーの思い出は多いよ。

ビジャ 私が経験した最も印象に残っているクラシコは初めて出場した試合。5-0で勝ち、2得点を決めることができた(2010-11シーズン)。夢でもこのような結果にはならなかったので、ものすごく嬉しかった。マドリーが首位で、我々は追いかける立場であったと思う。2010年の試合ではあるが、未だに人々はこの試合について話しているので、歴史に残る試合なのだろう。私のキャリアにおいて最も大切な試合の1つであるので、良い思い出だよ。

 その日は(スタジアムに)親戚や友達などが全員来ていた。私の最初のクラシコだったので、特別な夜であった。試合後に全員で祝うために外食をしに行ったのを覚えている。久しぶりに会うことができたので、選手としてだけでなく、個人的にも最高の日だった。

 このクラシコ以外に選ぶとすれば、UCLの準決勝かな(2011年)。ベルナベウで2-0で勝ち、カンプノウで引き分けて突破することができた。この2試合も特別なものだね。(ベルナベウでの)メッシのドリブルから右足で決めたゴールは、私がピッチにいたゴールの中では最も難しいゴールであると思う。

【次ページ】 2人が語るグリーズマンの現状。

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