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イニエスタ&ビジャが語るクラシコ。
「特別な試合」をバルサ目線で回顧。
posted2019/12/17 11:00
text by
谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph by
Takamitsu Yoshida / DAZN
エル・クラシコ。
日本の言葉で表せば「伝統の一戦」。
スペイン2大都市を象徴するクラブであるバルセロナとレアル・マドリーは、長きに渡り、リーガの覇権を争ってきた。サッカーの潮流が変われど、世界に数あるダービーマッチのなかでも両者が揃う一戦は特別なものとなる。
12月18日(日本時間19日早朝4時)、今季初となる「エル・クラシコ」はバルセロナの本拠地カンプノウで行われる。カタルーニャ州の治安不安により約1カ月半延期されたことで、結果的にそのボルテージは一層高まっていることだろう。
伝統の一戦を前に、かつてバルセロナの一員としてピッチに立っていたアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャの2人に展望を聞く機会に恵まれた。エル・クラシコがいかに特別か、そしてキーマンは誰なのか――。レジェンドたちの言葉とともにプレビューしていこう。
他の試合に比べれば、得られる自信が違う。
12歳で下部組織に加入し、そこからヴィッセル神戸に移籍するまで“バルサひと筋”を貫いてきたイニエスタ。一方、代表での活躍が認められ、2010年に満を持してバルセロナにやってきたビジャ。ポジションもキャリアも異なる2人のレジェンドにとって「エル・クラシコ」はどんな意味を持っているのだろうか。
イニエスタ クラシコは他の試合とは違う、特別な試合だ。バルセロナの選手にとって、レアル・マドリーに勝利するのは特別なもの。それはファンと同じようにね。戦いは試合の1週間前から始まり、結果によって、試合後もそれは続く。だから、多くのクラシコに出場できたことには誇りを感じているよ。
ビジャ レアル・マドリーとバルセロナが対決するわけだからいつでも難しい試合になる。全世界が注目している特別な試合だし、クラシコの結果は全世界に影響を及ぼすんだ。すべての選手にクラシコでプレーする機会が与えられるわけではないからね。
イニエスタ 他のラ・リーガの36試合と比べても、プレッシャーや緊張感といったものがまったく違う。そして試合の90分間だけでなく、試合内容やプレーについて、試合前、そして試合後も話は続く。だから特別だよ。
ビジャ 結果的には他の試合と同じように勝点3を競い合うことに変わりはない。(クラシコでも)自分のチームが勝てば勝点3を得て、相手は勝点を得ない。だが、歴史的な面をみれば他の試合との違いがわかるだろう。勝てば自信につながり、負ければその逆。他の36試合に比べれば、得られる自信が違うんだ。