Sports Graphic Number WebBACK NUMBER
<エールの力2019 vol.5>
畠山愛理「大歓声を浴びる宝物のような時間」
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byAFLO
posted2019/12/16 11:30
大歓声を浴びるのは宝物のような時間。
新体操は楽しいもの。楽しめなければ新体操じゃない。
そう信じて競技に打ち込んできた畠山さんには、日々の厳しい練習が報われる宝物のような時間があった。演技が終わり、大歓声を浴びる瞬間だ。
「ロシアのコーチがよく言うのですが、日本人は正確に演技をしたらパーフェクトだと考える。でもそのコーチが言うには、正確に演技をするのは大前提。その上でお客さんの心を動かしてこそ、いい演技ができたと考えます。つまり演技のあとに大歓声があって、初めていい作品ができたということ。シュツットガルトがそうでした。採点を気にするよりも、練習の成果を存分に出そうとのびのびと演技したことが、あの大歓声につながったと思います」
2016年のリオを最後に現役を退いた畠山さんには、フェアリージャパンの明日を担う“妹たち”に伝えたいメッセージがある。
それは新体操に打ち込むいまこの瞬間を、存分に味わい尽くしてほしいということ。
「私、引退して気がついたことがあるんです。あれ? 私もう、悔し泣きしなくなっちゃったって。現役時代は悔しくて泣きたいときや叫びたいほどうれしいときが、毎日のようにありました。でもそれが、引退すると湧いてこないんです。あの感情は、新体操に打ち込めるときだけしか味わえない、とても大切なもの。ですから選手のみんなには、喜びも悲しみもすべて味わってほしいのです」
新体操を心の底から楽しんだその先に、大歓声の瞬間が待っている。
▶「エールの力2019-2020」 有名アスリートの“声”にまつわる秘話を公開中!
水なしで飲む、のど直接うるおう。
(16包入り)[第3類医薬品]
せき、たん、
声がれ・のどの不快感に
※服用の際は説明文書をよくお読みのうえ、正しくお使いください。