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トライアウト参加人数は年々減少も、
警備、保険会社人事が目立つワケ。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2019/11/13 18:00

トライアウト参加人数は年々減少も、警備、保険会社人事が目立つワケ。<Number Web> photograph by Kou Hiroo

2019年のトライアウト会場となった大阪シティ信用金庫スタジアム。この地が“プロ人生最後の地”となる選手も少なくないだろう。

森福、村中は照れくさそうな表情。

 筆者は毎年、トライアウトを「選手たちはどんな気持ちで打ったり投げたりしているのだろう」と思いながら見ている。

 中には一縷の望みを託して、必死でプレーしている選手もいるだろうが、このトライアウトを人生のピリオドにしようと思っている選手もいるはずだ。

 今年で言えば、広島の横山弘樹(通算2勝)は、マウンドを降りると三塁側へ向けてこぼれるような笑顔を見せた。そして、スタンドの一番前にいた少女に小さく手を振ってダッグアウトに消えていった。その子は横山の「背番号24」のユニフォームを身にまとっていた。もし愛娘だとすれば、「お父さんは野球選手だったんだよ」という記憶に残したかったのかもしれない。

 巨人の森福允彦や、ヤクルトの村中恭兵は、ちょっと照れくさそうな表情を見せた。顔が知られた有名選手にとっては、いろんな思いが巡るつらい舞台ではあるだろう。

独立L所属の西岡、若松は……。

 NPB球団以外のユニフォームでトライアウトに参加する選手もいる。

 西岡剛は昨年、阪神のユニフォームでトライアウトを受けたが、今年はルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスのユニフォームで二塁を守った。西岡はシーズン後半は左翼を守っていた。筆者はBCリーグで何試合か見たが、やや心もとない守備の印象を受け、トライアウトでは二塁でボールをこぼしていた。参加選手中最年長の35歳。打つ方でも無安打に終わった。

 昨年は「あえて一番厳しい選択肢を選んだ」と答えたが、今年は「もしNPBが無理だとしても僕の野球人生はまだまだ続ける気持ちでやっています」と言った。それは西岡の「男の意地」なのだろう。

 同じく栃木のユニフォームを着てマウンドに上がった若松駿太は、BCリーグ後期で13勝5敗、防御率2.53。エース級の活躍だったが、トライアウトでも勢いある球を投げた。“俺の球を見てくれよ”と言わんばかりの表情だった。

【次ページ】 独立L関係者が目立つネット裏。

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