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紀平梨花も「新時代だな」と苦笑い。
軽々と4ルッツ、トゥルソワの強さ。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byGetty Images

posted2019/10/28 12:00

 紀平梨花も「新時代だな」と苦笑い。 軽々と4ルッツ、トゥルソワの強さ。<Number Web> photograph by Getty Images

世界最高得点で優勝したトゥルソワ(中)。2位は紀平(左)、3位は韓国のユ・ヨン。

3アクセルで立ち向かった紀平。

 最終滑走だった紀平梨花は、そのトゥルソワのスコアと歓声を聞きながら氷の上に出てきた。失うものはない初年に比べて、シニア2年目は難しいと言われている。紀平にとってここが1つの正念場だった。

『インターナショナル・エンジェル・オブ・ピース』のフリーで、冒頭で挑んだ3アクセルがステップアウトに。だがそこから素早く持ち直した。

 次の3アクセル+2トウループ、3フリップ、3サルコウ、ステップシークエンスを経て3フリップ+3トウループなど、残りをノーミスで滑り切ると、観客は総立ちとなった。

「1つ目の3アクセルで、『やってしまったな』と思ったんですけど、次のジャンプで絶対にコンビネーションつけないとアクセルを2本入れている意味がないと思い、集中して跳びました」

 演技後にそう語った紀平。フリー148.98、総合230.33のスコアを叩き出したものの、トゥルソワに次ぐ2位に終わった。

「もっと完璧を目指したい」

 230ポイントも出して2位という結果を、どう受け止めているのか。そう聞かれると、紀平は「新時代だなという感じ」と苦笑い。

「(トゥルソワの点を聞いて)いつもだったら、ギリギリ越せるかもしれない点数かなというのが多かったけど、今回は結構圧倒された。ノーミスしても越えられるかわからないというような点数が聞こえてしまった。今までにない経験でした。その中でも、まとめられたことは良かったんですけど、もっと完璧を目指したい」

 夏の間に練習していた4回転は、現在左足首の怪我のために中断している。ルッツは2回転を跳んでもまだ痛むという。

「(怪我が)長引いているというのは、焦りにつながっている。怪我だけはこれ以上しないように気を付けつつ、状態がよくなってきたら効率よく、集中して強い意志を持って毎日練習することが大事かなと思います」と凛とした表情で前を見据えた。

【次ページ】 トゥルソワは「緊張はしない」。

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