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新スプリント王者は世界的な名血統。
ルメールは最高の気分で凱旋門賞へ。
posted2019/09/30 11:40
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
秋のGIシリーズ開幕戦となった第53回スプリンターズステークス(9月29日、中山芝1200m、3歳以上GI)が16頭によって争われ、クリストフ・ルメールが騎乗する2番人気のタワーオブロンドン(牡4歳、父レイヴンズパス、美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝。重賞5勝目が嬉しいGI初勝利となった。
サマースプリントシリーズの王者による優勝は初めてのこと。10月6日の凱旋門賞にフィエールマンで臨むルメールにとって、弾みのつく勝利となった。
「ダノンスマッシュをマークしたかった。でも、(インコースにいた)彼のポジションがあまり好きではなかったので、外に行きました」
そう振り返ったルメールの冷静な手綱さばきが光った。
最大のライバルと見ていたダノンスマッシュを内に封じ込めるようにしながら4コーナーを回り、直線へ。
「直線でずっと伸びていた。だんだん加速して、ラスト200mでトップスピードになった」
ゴールまでラスト3完歩ほどのところで、逃げ粘っていたモズスーパーフレアをかわし、半馬身差で勝利をもぎ取った。
ルメールが見抜いていたスプリント適性。
ルメールは、2017年7月に札幌芝1500mで行われた新馬戦(1着)から、'18年5月のNHKマイルカップ(12着)まで7戦連続してこの馬に騎乗していた。
1400mの京王杯2歳ステークスや1600mのアーリントンカップを勝ってはいたが、ルメールは「早くからこの馬のよさはスプリント戦でこそ生きる」と管理する藤沢和雄調教師に話していた。
NHKマイルカップのあと、今年2月の東京新聞杯以外はほかの騎手が手綱を取っていたが、2走前、ダノンスマッシュの2着に惜敗したキーンランドカップからコンビが復活。前走のセントウルステークスをレコード勝ちし、ここに駒を進めてきた。