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「僕に柏からオファーが来るなんて」
“代役”川口尚紀が掴み始めた自信。 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2019/08/31 08:00

「僕に柏からオファーが来るなんて」“代役”川口尚紀が掴み始めた自信。<Number Web> photograph by Takahito Ando

7月31日に柏へ加入した川口尚紀(中央)。岐阜戦ではクリスティアーノのスーパーゴールをアシストするなど、早くもチームにフィットし始めている。

ようやく表情が明るくなった。

 その後も終始攻守においてバランスを取りながら、献身的なプレーを見せた川口だったが、53分に接触プレーで左の肋骨部分を負傷。MF田中陸との交代を余儀なくされた。

「こっちにきて初めて点に絡むことができて、ちょっとホッとしているし、嬉しかったです。まだミスも多いし、守備のところで後手を踏むことが多かったけど、加入した直後と比べたら絶対に良くなっている感触はあります。CB2枚とタニさん(ボランチの大谷秀和)が安定しているので、ようやくクリスと2人で連携ができるようになってきましたし、手応えは感じています」

 試合後のミックスゾーン、川口は左の肋骨付近を気にしながらも安堵の表情を浮かべていた。その表情は加入2試合目だった第27節レノファ山口戦後のミックスゾーンでの曇った表情とはまったく違っていた。

本人も驚いた突然のオファー。

 彼にとって、今回の移籍はまさに突然の出来事だった。

 新潟県に生まれ育ち、アルビレックス新潟の下部組織で過ごしてきた川口は、2013年にトップ昇格をすると、'16年に清水エスパルス(当時J2)への1年間の期限付き移籍を経て、'17年からは再び新潟の一員として戦っていた。

 今季は新潟で右サイドバックとして開幕スタメンを掴み、第16節ヴァンフォーレ甲府戦まで連続出場、そのうち15試合はフル出場だった。しかし、13節から16節までチームが4連敗を喫したことも影響してか、次節以降は出番がなくなり、ベンチ外が続いていた。

「はっきり言ってしまえば、『2段階落ち』だったので相当悔しかったし、このまま自分が落ちていってしまうのが嫌だった。レギュラーに戻るためにもう1度自分の良さを見つめ直しながら、試合勘だけは落とさないように意識して練習していた」

 そんな中、突如首位争いをしている柏から自分にオファーが来た。新潟が4−0で快勝した第24節FC琉球戦をスタンドで見つめていた翌日にこの知らせが届いた。

「正直、めちゃくちゃ驚きました。まさか僕にレイソルからオファーが来るなんて思ってもみなかったですから」

【次ページ】 小池の海外移籍で得たチャンス。

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