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藤田菜七子より騒がれた女性騎手。
WASJでミカエル・ミシェルが3位に!
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byJunji Fukuda
posted2019/08/27 17:00
JRA初勝利の表彰式で喜ぶミカエル・ミシェル。容姿で注目を集めたが、騎乗技術も完全に一流だ。
フランスが拠点でダートは不慣れなはずが……。
フランスをベースに騎乗しているので、ダートでレースをしたことはほとんどないはずだ。特に日本のダートは特殊で、凱旋門賞を4勝している名手オリビエ・ペリエが、短期免許で来日したばかりのとき「ずっとエンジンをふかしながらエネルギーを溜めなくてはいけないので難しい」と語っていたほど、普通は慣れるのに時間がかかる。
そこでこうして結果を出したのだから、適応力が高い。さすが、これまで4カ国で国際騎手招待競走に参加してきただけある。
表彰式に集まった大勢のファンを見て、社台ファームの吉田照哉代表が言った。
「お客さんを呼ぶ人選でしたね。馬券以外にこういう楽しみがあるのは、とてもいいことだと思います」
このWASJ第3戦を終えた時点で14人のトップに立ったミシェルは、第4戦で10着に敗れたものの、総合3位タイで表彰台に乗った。
「女性騎手代表として、またフランス代表として、ここに立つことができて幸せです」
そう言って、恒例のビールかけを楽しんだ。
藤田菜七子は昨年の自己記録に並ぶ。
一方、藤田菜七子は、的場文男と並ぶ13位タイの最下位だった。
「いい結果を出せず悔しいです。自分の未熟さを痛感しました」
そう話したが、この日の第4レースで勝利を挙げ、昨年自身がつくった27勝という女性騎手の年間最多勝記録に早くも並んだ。
藤田が憧れの存在と言っている、ニュージーランドでリーディングを3回獲ったオールプレスは、3年ぶりに再会した藤田を「ナナコは今日も勝ったように、うまく乗っている。成長しているわね」と讃えていた。
なお、今年のWASJ個人戦で優勝したのは、メインのキーンランドカップも制した川田将雅だった。団体戦は、5年連続JRA選抜が優勝した。