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デブライネの天才的チャンスメーク。
マンC「右の崩し」は芸術の域に。 

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寺沢薫

寺沢薫Kaoru Terasawa

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photograph byGetty Images

posted2019/08/20 11:50

デブライネの天才的チャンスメーク。マンC「右の崩し」は芸術の域に。<Number Web> photograph by Getty Images

漫画のようなカーブを描き、ピタリとスターリングの頭へ。デブライネの1点目のクロスはこれぞワールドクラスだった。

B・シルバとの連係は芸術の域。

 35分にアグエロが決めた2点目も右ワイドのB・シウバ、ハーフスペースのデブライネという、似たような位置関係から生まれた。

 B・シウバが右SBのカイル・ウォーカーからボールを受けると、デブライネは内側からインナーラップを仕掛け、裏に抜ける。そして、今度は低くて鋭いクロスを入れ、アグエロがピンポイントで合わせた。

 デブライネがB・シウバとの連係で右から崩すパターンはもはや芸術の域で、ペップ・シティの“お家芸”となっている。B・シウバが右いっぱいに開いて幅を作り、デブライネが相手サイドバックとセンターバック間のスペースを有効活用するプレーは、わかっていてもなかなか止められない。

 寄せれば2点目の場面のように裏を突かれ、引けば1点目の場面のようにやや低めの位置からアーリークロスが飛んでくる。かといって様子見を決め込んでいたら、B・シウバが自分で突破することもできるし、さらに後方から上がってくるウォーカーを使える。

 そもそもデブライネ自身が、ボールを持てばクロス、スルーパス、切り込んでシュートとあらゆるプレーを選択できるだけの技術を持っている。守る側からすれば本当に厄介である。

カウンターでのプレーも一級品。

 また一連の右サイドからの崩し以外でも、デブライネの出来は際立っていた。

 日本のサッカーファンなら誰もがロシアW杯ベルギー戦を思い出してしまうが、カウンターの場面で的確なコース取りの高速ドリブルから、1本のパスでビッグチャンスを作り出すプレーも一級品。持ち前のキック技術を生かして自らシュートに持ち込むプレーもあったし、54分には針の穴を通すような美しいスルーパスをスターリングに通した。

 開幕から、いや正確に言えばプレシーズンから、エンジン全開だ。

 7月に来日し、横浜F・マリノスと対戦した試合でも動きのキレ、キックの質、ともに素晴らしい状態にあることが感じ取れたが、シーズンが開幕してさらにギアを上げてきた感があり、まだ開幕2試合だが極上の輝きを見せている。

【次ページ】 シアラーもリネカーも大盛り上がり。

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