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安美錦「ケガを敵と思わないで」
40歳まで戦い抜けた勇気と寛容さ。
text by
荒井太郎Taro Arai
photograph byKyodo News
posted2019/08/13 08:00
長年にわたって角界を沸かせ続けた安美錦。その戦いぶりは相撲ファンの記憶に残るだろう。
寛容なマインドと変わる勇気。
「ケガをしなかったら、小兵のままずっと取っていただろうね」と長い現役生活において、相撲の型はいくつかの変遷を経てきたからこそ、ここまで生き永らえてきたことは間違いない。
「試してだめならいいやという感じで新しいこともどんどん取り入れているし、そこは常にフラットな状態でいるようにしている」と現役晩年に語っていたことがある。
身に降りかかる全てのことを受け入れる寛容なマインドと変わる勇気。
不惑の年まで関取でいられたのも、その両輪がうまく噛み合っていたからであろう。今後は年寄安治川として後進の指導にあたるが「人を成長させるには自分がもっと勉強しないとね」と現役を引退してもなお、進取の精神に富んだ生きざまはそのままだ。