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ウッズが全英初日にワースト記録。
「今日は必死で戦い抜いた」
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/07/19 13:15
タイガー・ウッズの不調は明白だが、彼ほど終盤に強いイメージがある選手もいないのだ。
自己ワーストの7オーバー、144位タイ。
「あのとき僕は、すでに下降線を辿り始めていた」
そう、1番の見事なパーセーブは、この日のウッズにとって最初で最後の見せ場になってしまった。2番、3番、4番はなんとかパーを重ねたが、5番でボギーを喫すると、そこから先は、ぎりぎりで保っていた堤防が決壊したかのように大荒れのゴルフになった。
6ボギー、1ダブルボギーを叩き、奪ったバーディーはわずか1つ。全英オープン初日における自己ワーストの7オーバー、78を喫し、144位タイ。
ボロボロのゴルフに終わったこの日のウッズは、北アイルランドの人々が待ち望んでいたウッズ像とは、かけ離れた姿だった。
「久しぶりの試合」というだけではない。
この日、スタート前のウォーミングアップの段階から、ウッズは不調を感じ取っていた。
「バラバラのスイングをなんとかつなぎ合わせようとしていた。なんとか戦えるように。そういう感じだった」
今大会はウッズにとって今年わずか10試合目。そして6月の全米オープン以来、1カ月ぶりの試合出場だ。4週間も間が空いたことは事実だが、単に「久しぶりの試合」というだけなら、ウッズの表情には明るさも感じられるはずだ。
たとえば、昨年1月のファーマーズ・インシュアランス・オープンで1年ぶりの試合復帰を迎えたときのウッズは、初日の1番ティに向かうとき、複雑な表情をしていた。
久しぶりの試合で「とても緊張した」というウッズは、「まっすぐ打てるだろうか?」という大きな不安を感じていたが、彼の表情には「ようやく試合で戦える」という喜びも溢れ返っていた。
しかし、ロイヤル・ポートラッシュの1番ティに立ったウッズには後者は感じ取れなかった。そのワケは、ウッズがすでに自身の不調を感じ取り、それをどうにかして「埋め合わせられるだろうか?」「切り抜けられるだろうか?」というドギマギする状況に陥っていたからだった。