Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<決断の真意>
飯伏幸太「本当の“自由”がここにある」

posted2019/07/06 08:00

 
<決断の真意>飯伏幸太「本当の“自由”がここにある」<Number Web> photograph by Essei Hara

text by

鈴木忠平(Number編集部)

鈴木忠平(Number編集部)Tadahira Suzuki

PROFILE

photograph by

Essei Hara

【プロレス総選挙THE FINAL 第5位】 フリーの肩書を捨て、新日本への再入団を発表した。生来、自由奔放な男が、たった1つのリングに身を捧げることで、自由を奪われることはないのか。しかしその答えは、予想とかけ離れたものだった。(Number981号掲載)

 ひとりの男が自由を失った。

 この春、東京・後楽園ホールで起きた事をそうとらえた人は少なくないという。

 30代半ばを過ぎたプロレスラー飯伏幸太がフリーの肩書きを捨て、大看板・新日本プロレスに所属することを誓ったのだ。

『死ぬまで。それが僕の契約期間です』

 どの団体にも属さず、世界中どこのリングにも、たとえリングがなくたって、プロレスのあるところならどこにでもフラッと現れる拘束不可能の男が、たった1つのリングに身を捧げるという。これが自由の喪失でなくして何だろうか。

 ただ、飯伏は言うのだ。

「そういう見られ方をしているというのはわかっていますが、じつは僕にとって今が一番、自由なんです――」

 新日本という国内最大のメジャー団体に属して2カ月、飯伏は大きく変わった。

 かつてなら、タイトルマッチ前でも後でもハンバーガーにコーラだったが、今は鶏ささみを手にコンビニのレジに並んでいる。

「ジャンク系のチェーン店の味が大好きなのは変わらないですが、食べる物は変わりました。巡業中はホテルの近くにジャンク系の店もないですし、僕はジャンク以外の食には欲がないので、時間優先でコンビニのサラダチキンとか、果肉だけのグレープフルーツとかを買っています」

 かつてなら、合同練習を嫌い、同志とつくったOPG(俺たちプロレス軍団)という道場で自分が考えたメニューだけを行っていたが、今は全体練習にも加わるという。良くも悪くも時間にとらわれないイメージのある飯伏が、今は団体行動の中で何とかオンタイムを守っているという。

 こうしてみると飯伏はやはり縛られている。彼が手にした自由とは一体、何なのか。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

新日本プロレス
飯伏幸太

プロレスの前後のコラム

ページトップ