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なぜ浦和はACLで大逆転できるのか。
大槻監督「歴史が今のチームの土台」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/06/27 11:40
2得点を決め、ACLベスト8進出に貢献した興梠慎三(右)。準々決勝の抽選は7月2日だ。
大槻監督は「ホッとしました」
オズワルド・オリヴェイラから監督を引き継いだ大槻毅監督は、試合後の会見で「ホッとしている」と真っ先に述べ、続けて、ホームでの試合後、敗れたにもかかわらずエールを送ってくれたサポーターへの想いを吐露する。
「あのスタジアムのサポーターの素晴らしい後押しがあったから、今日のゲームがある。心から感謝したい」
会見後、監督に訊いた。
「Jリーグでも、ACLでもそうですし、僕はすべての試合は負けたくない。選手に勝たせてあげたいし、サポーターにも喜んでもらいたい。先週、サポーターに寂しい想い、悲しい想いをさせたと思っている。でもああいう応援をしてくれる、サポートしてくれる。だから絶対勝ちたかった。その責任を感じていたし、選手もそれに応えようと素晴らしい姿勢でいたので、なんとしても選手に結果を持ちかえってもらいたかった。そういう意味でホッとしました。
確かにファーストレグでは2失点しましたが、いろんなことにトライしているから、失点もある。失点したくないからといって、ゴール前をずっと固めていてもサッカーにはならない。我々の選手の質、クオリティを活かしたうえで、何をみんなでやるのがいいのかというのを考えるのが一番大事なこと」
浦和レッズのアカデミーで育成にその手腕を発揮してきただけでなく、分析眼の高さでも評価を集める指揮官の横顔がその言葉から伝わってきた。
DF岩波が感じた勝者のメンタリティ。
2017年シーズンの浦和のACLでの快進撃を、外から見ていた岩波拓也は言う。
「今日の試合を迎えるにあたって、難しい状況ではありましたが、アジアのチャンピオンに2度なっている浦和ですし、2年前の大会もホームで逆転するというのを僕自身も見てきた。だから、そういう選手たちの自信というか、頼もしさを今日の試合で、後ろから見ていても誇らしく感じていました。勝者のメンタリティがこのチームにはあるんだなと」