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元帝京高10番のマラドーナ芸人が、
マラドーナ本人に会いに行ってみた。
text by
池田鉄平Teppei Ikeda
photograph byCONNECT
posted2019/06/23 11:30
マラドーナ(右)本人と出会った、ディエゴ・加藤・マラドーナ。メイクしきれなかったのが惜しい!
マラドーナ本人に会うチャンス。
そんな加藤に、本物のマラドーナと会うチャンスが巡ってきた。
加藤の所属事務所「コネクト」の代表、百瀬俊介氏にマラドーナが監督をしているメキシコ行きを提案された。サッカー選手だった同氏は現役時代にメキシコリーグ初の日本人プレーヤーとなるなどメキシコと縁が深い。
とはいえ、実際に行くまでは話すことはおろか、会えるかどうかすらわからない状況だった。それでも加藤は、迷わず飛行機に乗り込んだ。芸歴13年、マラドーナのモノマネを本格的に始めて10年が経っていた。
加藤は百瀬氏らとともにマラドーナが監督を務めるメキシコ2部ドラドスのスタジアムを訪れた。その日は試合前日で、練習はメディア非公開。
「まさか会えないよな」
そんなことを思っていると、予期せぬ幸運が訪れる。
ディエゴが来た瞬間、目に涙が。
「スタジアムに行っても、まだ会えるかどうかわかっていませんでした。会える可能性があるとしても、その次の日(試合日)と言われていたので、ユニフォームも用意していなかった。でも、練習の終わりかけに広報の方が『今なら!』と言ってくださったんです。急きょユニフォームを取りにいったりして、バタバタでした」
日本からのゲストに、クラブ側が機転を利かせてくれた。
「グラウンドに本物のディエゴ・マラドーナが入ってきて、だんだんと近づいてくる。100mの距離のときに感激と感動が頂点に達しました。『本物だ! 僕がマラドーナとこの距離にいられるんだ!』と思うと、目に涙が溜まり始めていました」
その姿を目にしただけで、すでに感極まっていた。
「初めて憧れの人に会えて、もう緊張していて何を話したか覚えていないくらい。最高潮に達した興奮で、思わず『フォー!!』という言葉が出ました。ああいう感覚自体が初めてでした」