水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
久保建英のキックに水沼貴史が注目。
メッシ、ロナウドと同じ素質とは?
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2019/06/14 12:00
エルサルバドル戦で痛烈なシュートを放った久保建英。水沼貴史氏によるとこれも1つの伏線だったという。
「えっ?」という経験をしてほしい。
僕たちの場合は親善試合だったので、それ以上にシビアな戦いをコパ・アメリカという大舞台で体験できるのは、選手人生においても大きいと思いますよ。コパ・アメリカはW杯とも違う何かが渦巻いている大会ですから。
歴史があって、文化もある。アンダーカテゴリーでも南米との対戦経験はあるはずですが、おそらくレベルが違うでしょう。自分が「えっ?」と感じる経験をたくさんしてほしいな。
そこからボールを預ける、フリーランする、仕掛けるという、彼の中での判断がもっともっとクリアになっていくはずです。
日本がグループリーグで対戦する国を見ると、すごい選手たちがたくさん出場しますね。エクアドルには長くプレミアリーグで活躍するバレンシアがいる。ウルグアイには、スアレスやカバーニはもちろん、中盤にはベンタンクールやベシーノ、ルーカス・トレイラ、最終ラインにはゴディンがいます。
ウルグアイ、チリとやれる豪華さ。
特にウルグアイは、昨年日本に負けていて(3-4)、選手たちからすれば2回も同じ相手に負けるわけにはいかないから、それこそ「ふざけるな!」って来るでしょうね(笑)。さらに試合会場もウルグアイの国境近くなので、サポーターもたくさん駆けつけるはず。南米ドアウェーでのガチンコ勝負は、キャリア全体でもそうそう体験できるものではないですよ。
初戦に当たるチリは、前回と前々回のチャンピオン。アルゼンチンに粘りに粘って優勝しているわけですから。本当に現役選手たちが羨ましいですよ(笑)。
そんな相手と対戦する日本代表は東京五輪世代が中心とはいえ、A代表として大会に臨みます。U-23なんて肩書きはない。テストではなく大会に参加するわけですから、勝つためのサッカーをしないといけません。