“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-20W杯でスターになるはずだった男。
宮代大聖、川崎での試練を経てA代表を。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byGetty Images
posted2019/06/07 18:00
韓国戦で敵DFに囲まれた中での突破を図る宮代大聖。この悔しい経験は、絶対に無駄にしてはならない。
世界を舞台での悔しさは、2度目。
韓国戦を振り返る短い取材をしている間でさえも、言葉の端々、そしてその表情から、抑えきれない悔しさがどんどん溢れ出てくるように見えた。
「前半最初のCKのシーンでも、シュートまで打ちきれなかった……。そういう意味で最後まで詰めの甘さが出てしまった試合でした。何かが決定的に足りないと感じました」
脳裏に刻まれた苦い記憶。
だが、彼にとってこういうシチュエーションは、実は2度目のことなのだ。
今から2年前のインドで開催されたU-17W杯。グループリーグで2得点を挙げる活躍を見せ、チームの決勝トーナメント進出に大きく貢献した宮代だったが、決勝トーナメント初戦となるラウンド16のイングランド戦でノーゴールに終わり、結局チームは0-0からのPK戦の末に敗れていた。
U-20W杯前に語っていた抱負。
「U-17W杯で凄く悔しい思いをしたので、U-20W杯ではその借りを返したいですし、(U-17W杯では)大会を通じて成長したのを凄く感じたので、その舞台にもう一度立って、世界と戦いたいという強い思いがある」
と、今大会前に、その抱負を口にしていた宮代。
「イングランド戦の負けからの帰りの飛行機と、韓国戦の負けからの帰りの飛行機。何が違って、何が一緒だった?」
と筆者が問うと、宮代は少し間を置いてからこう口を開いた。
「大会を通してもそうですが、今大会の方がU-17の時よりも自分が自信を持ってプレーできたと思いますし、自分の中でやるべきことはしっかりと整理をしてプレーできていたと思います。
そういう部分ではポジティブに考えていますし、成長した部分だとは思いますが……」