メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
花巻東対決ならず全米もガックリ。
菊池雄星vs.大谷翔平は実現するか。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2019/06/03 17:30
花巻東高校出身の先輩・菊池雄星と後輩・大谷翔平。2人の対決には、日本のみならず米国メディアも注目している。
「楽しみにしていたのになぁ」
それはエンゼルスも同様だった。テレビとラジオの放送担当者はそれぞれに口を揃え、こう言った。
「楽しみにしていたのになぁ。こんなことになるなんて、残念だ。君ら(日本メディア)はどう思っているんだ? オースマスもやってくれたよな(笑)」
今回、事の張本人となったエンゼルスのオースマス監督はいたずらっぽい笑顔を見せながら、こう言った。
「日本のファンは俺のことを嫌いになったかな。ごめんなさいと伝えてね」
最初から対戦の可能性は低かった?
今季最大の“肩すかし”は、この監督発言で終息を迎えたが、よく考えてみれば、今回は最初から対戦の可能性は低かったと言える。
大谷は打線の核として「3番DH」での出場を続けているが、週に1回ほどの休日は既定路線だ。一塁手としての出場が多くなっている39歳のアルバート・プホルスとの兼ね合いで相手先発が左投手の際は大谷には休養が与えられ、DHにはプホルスが回る。
さらには今回のマリナーズの先発ローテーションがポイントとなった。4連戦で菊池雄星、トミー・ミローン、マルコ・ゴンザレスの左投手が3人が控えた。その中でスタッツ(統計)は大谷を外す試合は菊池がベターであることを示していた。
<対左打者への被打率>
菊池 2割3分4厘
ミローン 2割5分
ゴンザレス 3割
また、大谷の直近40打席での打撃内容もそれを示していた。
34打数6安打、1割7分6厘。
緩い変化球と距離のとれる外角球にはバットが出てくるが、内角の直球系はバットが出てこない。全く打てていなかったのである。
大谷攻略は内角へのパワーボールが軸。そんなリポートがある中で3投手の直球の平均値は以下の通りだった。
菊池 94マイル(約151キロ)
ミローン 87マイル(約140キロ)
ゴンザレス 88マイル(約142キロ)