炎の一筆入魂BACK NUMBER
バティスタは“助っ人外国人”と違う!?
広島がじっくり育んだ和風ドミニカン。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2019/05/27 12:10
好調の広島を象徴する3番バティスタ。4番の活躍を引き出しているのも、彼の存在かもしれない。
「アタマイイカラ、オボエル」
「あいつはよく忘れる。しょっちゅう電話がかかってくるけど、確認している。今も忘れていると思う」と朝山コーチ。本人にきいてみると、苦笑いしながら、そしてときに考え込みながらも、何とか7つすべてを日本語で絞り出した。
(1)姿勢良く(構える)
(2)しっかり地面をつかむ(ように立つ)
(3)意識はセンター
(4)踏み出す左足はゆっくりタイミング(を取る)
(5)(インパクトのときに)手首を立てる
(6)軸足は馬の脚(のように力強く)
(7)最後まで両手で(バットを)握る
「アタマイイカラ、オボエル」と笑う大砲は、素直で真っすぐだ。チームメートから愛される理由だろう。アカデミー出身のバティスタは広島の歴代助っ人の系譜ではなく、生え抜きの日本人選手の系譜に近い。
コンスタントな出場機会と、一、二軍打撃コーチのサポート。さらにそれを柔軟に聞き入れる性格が成功につながった。
ただ、バティスタはまだ打者として“最終形態”ではない。さらなる可能性を秘めていることが、バティスタの最大の魅力かもしれない。大砲の進化とともに、広島打線もまた進化を求めていく。