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羽生結弦へ受け継がれる技術とアート。
伝説のスケーターが映像で甦る。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNew Black Films Skating Limited 2018/Dogwoof 2018
posted2019/05/20 07:00
五輪で金メダルに輝いたのち、プロに転向。ジョン・カリーのカンパニーには後に振付師となるローリー・ニコルやリー=アン・ミラーも参加。
名だたるスケーターたちが賞賛。
作品中ではフィギュアスケートファンにはなじみのあるスケーターたち、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアーらもインタビューを受けている。彼らは一様に、カリーに対する賞賛を惜しまない。
のちのスケーターたちが畏敬の念を抱くカリーの軌跡とその演技は、フィギュアスケートファンにとってきっと何かしらの余韻を残すのではないか。
いや、ジャンルに囚われず、人間の強い意志と発露のあり方を知ることができるのを考えれば、フィギュアスケートというジャンルを超えて、多くの人の目に触れてほしい作品でもある。
<ジェイムス・エルスキン/James Erskine>
イギリス生まれ。オックスフォード大学で法律を学んだ後、脚本家・映画監督に。BBCアーツで映像作りをスタートし、ドラマやドキュメンタリーの監督として多数の作品を手がける。芸術やパフォーマンスをテーマとした数多くの映画を制作する一方、スポーツ・ドキュメンタリーも得意とし、代表作は1990年のサッカーW杯イタリア大会を題材にした『One Night in Turin』(2010)や、伝説的クリケット選手のサチン・テンドルカールを描いた『Sachin:A Billion Dreams』(2017)など。今作『氷上の王、ジョン・カリー』はそうした芸術、スポーツの2つを融合させるものとなっている(5月31日より新宿ピカデリー、東劇、UPLINK渋谷、UPLINK吉祥寺ほか全国で順次公開)。