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新入幕・志摩ノ海の「腐らない」は
リハビリ中の宇良にも好影響。 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKyodo News

posted2019/05/10 17:30

新入幕・志摩ノ海の「腐らない」はリハビリ中の宇良にも好影響。<Number Web> photograph by Kyodo News

大ケガを乗り越えて令和最初の大相撲で新入幕となった志摩ノ海。こういった存在がほかの力士にも勇気を与える。

志摩ノ海と宇良に向けてのエール。

 そうコワモテの師匠は相好を崩す。そして、

「志摩ノ海のいいところは『どうなるかわからないところ』なんですね。急に変わるんですよ。これからも、あっという間に三役になるか、あっという間に幕下に落ちるか。勝ち始めるとダーッと行くし、負け始めると、とんでもない負け方をする。どっちかなんですよ。だからあまり期待はしていません(笑)」

 新入幕のプレッシャーを隠せない愛弟子に、師匠なりのエールを送っていた。

 同じ木瀬部屋で、志摩ノ海の弟弟子にあたる宇良も、現在はリハビリ中だ。今場所は三段目16枚目まで番付を落とし、いまだ復帰のめどは立っていない。アクロバティックな相撲で人気を呼んだ宇良は、2017年9月に靱帯断裂の大ケガをし、6場所連続休場。復帰3場所目に再度、同様のケガに見舞われてしまう。

 宇良について、師匠は言う。

「精神的に強くなっています。2回目のケガでは、さすがに立ち直れないかな? と思っていて『顔を見たらなんと言おうか……』と考えましたけど、笑いながらご飯を食べていましたから。開き直れる性格ですね。『ケガだから、必ず治る。治らない病気じゃないんだぞ。ここは、ケガでありがたかったと思わなきゃ』とも言いました」

 見渡せば、木瀬部屋には、ケガに苦しんだ経験を持つ兄弟子や弟弟子がいる。再び土俵に立つまで孤独に戦う姿を間近にし、感じ、学び、その存在に背中を押されもするだろう。

 部屋頭となった遅咲きの志摩ノ海の存在に勇気づけられ、ひとり孤独に四股を踏むその脚に、見えない力が宿るはずだ。

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