練習してみたら痛いのなんのって。

天摩　「とりあえずパラのことは忘れて一度練習に来てみなよ」って。「何回かやってみてダメだったら辞めても良いから」と。

松岡　そこまで言われた。

天摩　その時ふと思ったんです。「そこまで言ってもらえる人ってあまりいないんじゃないかな」って。

松岡　でも……しつこいようですが、スポーツはやらないと決めていたわけでしょ。

天摩　そうですけど。絶対やらないと意地になっていたわけではないんです。やんなくてもいいかなって感じで。

松岡　心の底ではまたやってみたいと。

天摩　いえいえ、やってみたいとは思ってないです。ただそんな風に言われて、そこまで熱心に誘ってもらえるのは有り難いことだと思ったんですね。それで初めて練習に参加しました。

松岡　行っちゃった。

天摩　高校の体育以来、7～8年振りにやってみたんです。もう……痛いのなんのって。

お尻も腹筋も方も全部痛いんです。

　それを聞いた松岡さんは大笑い。対談が進むにつれて二人は打ち解け、軽妙な言葉のやりとりが続いた。

天摩　ボールは重い。当たると痛い。寝て、起きて、投げて、また寝て……その繰り返し。

松岡　今、消極的なことしか言ってませんよ（笑）。

天摩　ほんと辛いと思って。それで練習に参加した翌日、起きたらとんでもない筋肉痛になっていたんです。多分、初心者にしては最初から投げすぎたんですね。

松岡　打撲痛ではなかった？

天摩　筋肉痛です。体幹を使うからお尻も痛いし、腹筋も痛い。肩も全部痛いんですよ。なんでこんなに痛い思いをしないといけないんだって。あの日、人生で一番の筋肉痛だったと思います。そんな思いをしながらも、あの練習の場には日本代表クラスの選手も何人かいて、みんな上手いんですよ。

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