沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
フィエールマン&ルメールの大快挙。
天皇賞・春で示した巨大な潜在能力。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/04/29 11:15
すべてのGIの中でも、天皇賞・春はかなり特殊な能力を求められる。ここを制したフィエールマンの能力はどう花開くか。
競馬界の寡占状態を象徴するようなレース。
終わってみれば、またルメール、またディープ、またノーザンファーム、また天栄という結果だった。
掲示板に載った5頭のうち、2着のグローリーヴェイズ以外はみなノーザンファームの生産馬だった。
そして、勝ったフィエールマンも2着のグローリーヴェイズも、中間は福島のノーザンファーム天栄で調整されている。
出走馬13頭のうち、2頭しかいなかった関東馬のワンツーだった。ノーザンファーム天栄で過ごすことの効力は、アーモンドアイやブラストワンピース、グランアレグリア、ダノンキングリーらがその走りで証明済だ。
美浦トレセンは、坂路コースの高低差を現在の18mから33m(栗東は32m)にする工事を行い、2023年の完成を目標にしているという。
平成の競馬は、関西馬旋風に始まり、武をはじめとするスタージョッキーの活躍などを含め、西高東低の時代だった。
その潮目が変わるかもしれない。
そんなふうに思わせてくれた、平成最後のGIであった。