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カメラマン視点でGK林彰洋を観察。
首位FC東京の守護神は“熱血長男”。

posted2019/04/22 11:40

 
カメラマン視点でGK林彰洋を観察。首位FC東京の守護神は“熱血長男”。<Number Web> photograph by Yoshiaki Matsumoto

最後方の林彰洋をさらにピッチレベル後方で見てみると、FC東京での貢献ぶりがよくわかる。

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Yoshiaki Matsumoto

 試合のあとに、カメラマンと雑談するのは楽しい。日々、バズーカ砲みたいなレンズをピッチに向けるみなさんは、誰よりも近くで試合を見ているから。

 もちろんあれだけ近くに座っていると、見えないものもあるはず。メインスタンドの記者席から取材するのと比べれば、両チームのフォーメーションや試合全体の流れはわかりづらいだろう。その反面、記者席からでは絶対に目の届かないものを見て、聞いて、感じている。

 選手たちの表情、仕草、声、芝生の匂いまで。そのディテールについて話を聞けば、スタンドからの“上から目線”では気づけない、いろんな驚きと発見がある。

GKの仕事っぷりを背後から見たい。

 だから、いつか自分もカメラマンが座る位置からサッカーを見てみたい。特に、普段はなかなか定点観測できないGKの仕事っぷりを、すぐ背後から見てみたいと思っていた。

 ならば。素人カメラマンでも危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。迷わず行けよ。行けばわかるさ。バカヤロー。

 と、勝手に自分を勇気づけて。4月14日、自宅に眠っていた一眼レフカメラを引っ張り出して、FC東京vs.鹿島アントラーズが行なわれる味の素スタジアムに向かった。

 報道受付で黄色いビブスを受け取って、いざピッチ脇へ。背後からのサポーターの大声援に気圧され、おどおどしながら、ゴール斜め後ろの看板裏に陣取った。

 試合が始まって数十分、レンズ越しにFC東京の守護神を観察していて、思った。

 GK林彰洋は、“熱血パパ”みたいだ。いや、ベンチから睨みをきかせる長谷川健太監督がFC東京の父だとしたら、その子どもたちを最後方から束ねる、熱くて世話好きな“長男”と言ったところか。

【次ページ】 首を振り、手を動かし、声を嗄らす。

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