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18歳のルーキー根尾昂が明かした
憧れの人イチローへの想い。

posted2019/03/28 11:45

 
18歳のルーキー根尾昂が明かした憧れの人イチローへの想い。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

中日のゴールデンルーキー、根尾昂。二軍ウエスタン・リーグで経験を積み、一軍昇格を目指す。

text by

鈴木忠平(Number編集部)

鈴木忠平(Number編集部)Tadahira Suzuki

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

 プロの洗礼だったのは間違いない。驚きや落胆も全くなかったといえば嘘になるだろう。

 3月15日、中日ドラゴンズ・根尾昂が二軍ウエスタン・リーグ開幕を迎えた。

 初めての公式戦は3球三振から始まって、5打数ノーヒット。翌日の第2戦では3三振ながら、初ヒットを放つ。雨のち曇り。彼にインタビューしたのはそういう時期だった。

 ただ、高すぎる期待と現実のギャップを実感する中でも、どこか根尾は掻き立てられているようだったし、折れない自信を感じさせた。

 そして、そんな彼がキラキラと目を輝かせた瞬間があった。

「これ、かっこいいですねえ!」

 僭越ながら小誌Number974号である。日米通算4367安打のバットマンがアリゾナの青い空をバックに、いざ打席にゆかんとする横顔がカバーとなった雑誌を持参したところ、視線が釘付けになった。

「これ、全部イチローさんの特集じゃないですか。いいなあ」

 いえいえ……。自分の編集でもないのになぜか照れてしまう。

8歳の根尾少年が見たWBCとイチローの記憶。

 パラパラとページをめくる指があるところで止まった。

「あ、これ。僕、テレビで見ていたんですよ」

 2009年のWBC、日の丸がついたユニホームをまとった51番が、「蛇直球」と異名を取るライバル国の守護神から決定的なヒットを放つ瞬間である。

 当時8歳だった根尾少年は、それを自宅のテレビで目に焼き付けたという。雪国・飛騨、まだ寒い早春の熱い記憶である。

 3つ上の兄と、その友人たちがバットやボールを上手に操るのがカッコよくて、真似したくて、保育園の頃からまぜてもらっていた。

 自分の目線よりもずいぶん上のお兄ちゃんたちを見上げながら、追いかけ、やがてそこに追いついていくことが、少年にとって野球の原点だという。

 そして見上げたずっと先、遥か先には、テレビの中でヒットを打ち続けるスーパースターがいたのだろう。

【次ページ】 あの頃よりも近づいた憧れの人との距離。

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