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サニブラウンが日本タイ記録で復活!
60m走6秒54ってどのくらい凄い? 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byAyako Oikawa

posted2019/03/15 11:30

サニブラウンが日本タイ記録で復活!60m走6秒54ってどのくらい凄い?<Number Web> photograph by Ayako Oikawa

全米大学室内選手権60mで3位に入ったサニブラウン(右)。チームメイトで6位のクラーク(左)、優勝のホロウェイと。

新しい環境、ケガに苦しんだ1年。

 2017年8月からアメリカへ渡ったサニブラウンだが、昨シーズンはケガの影響で目立った成績を残せていない。

 渡米前には、日本選手権100mで10秒05の自己新記録で桐生祥秀らに競り勝ち、200mとあわせて2冠。夏のロンドン世界陸上200mで同種目最年少のファイナリストになって大きな注目を集めた。しかし、大会中に右大腿部を痛め、フロリダ大学入学後はリハビリ生活を送っていた。

 だが、大きな大会後のモラトリアム症候群もあって、リハビリはおろそかになっていた。新しい環境、慣れない英語での授業、山のような課題をこなすのに精一杯で、気づくと学業に比重が置かれる生活になっていたのだ。

 そして100%完治しないままに練習、室内レースに出場。昨年2月には足に違和感を覚え、満足な練習を積めないまま屋外シーズンに。それでも5月には徐々にタイムが上がってきたが、得意の200mのレース中に右大腿部を痛めてそのままシーズン終了。悪循環に陥り、ケガに泣かされる1年になった。

 落ち込んでいるサニブラウンにチームメイトやコーチは優しかったが、厳しい言葉をかける人もいた。このまま終わるのか、それとも奮起するのか――。真価が問われる現在の局面で、サニブラウンは歩み始めたといえるだろう。

室内シーズンに備え冬休み返上。

 昨年末、サニブラウンは日本へ里帰りせず、アメリカにとどまった。

「(日本は)寒いですし、時差ぼけになるのも、ちょっと」

 そう話したが、今季の室内レースである程度の結果を出さなければいけないのも事実だった。日本でゆっくりする暇などなかったのだ。

 年始も早々に動き出した。大学陸上部のスタッフが撮影するスタート動画には、週を追うごとにキレを増した走りが映し出されていた。

「スタートでは頭を低くするように心がけた」というように、以前と比べてスタートの飛び出しの体勢が低く、そして腕をダイナミックに振るようになっている。

「前はスタートがのそのそしていたけれど、それが少なくなったかな」と本人が語るように、ウェイトトレーニングで上半身が強くなり、腕を大きく使えるようになった。

【次ページ】 ハキームはまだベイビーだから。

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