【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
W杯出場を決めた日本バスケが、
社会現象になるため必要なもの。
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byAFLO
posted2019/03/11 07:30
日本代表のキャプテンを務めるのは篠山竜青。普段はBリーグ・川崎ブレイブサンダースでプレーする。
田臥勇太という存在の大きさ。
また、一般層で、今の日本代表選手の顔と名前が一致している人は、どれだけいらっしゃるでしょうか。
今回の代表チームには、長年日本バスケの顔として活躍し続ける田臥勇太選手は選ばれていません。
もちろん田臥選手に続き、日本人2人目のNBAプレイヤーとして奮闘する渡邊雄太選手や、アメリカ留学でさらに力をつけている八村塁選手ら、次代を担う顔は育ってきています。その一方で「バスケ選手」と言われると、田臥選手の印象がまだまだ強いとも感じます。
例えばJリーグであれば、三浦知良選手は誰もが知る存在ですが、中村俊輔選手や内田篤人選手ら名選手が頭に浮かぶ方も多いはずです。
そう考えると私たちが生活していくなかで、日本代表のバスケ選手や、バスケW杯に関する情報が少なく、広がりきっていないようにも感じます。
ここからもう一歩二歩進み、爆発的に人気が出て、社会現象となっていくには「何か」が足りない。
強化とともに進めたいもの。
その「何か」とは……?
何より代表チーム、Bリーグなど日本のレベルがどんどんと上がることが理想です。そしてメジャーリーグ、また欧州サッカーで日本人選手が活躍するように、日本人選手が何人もNBAで主力としてプレーできる状況になれば、ファン層拡大につながることは間違いないと思います。
でも、その状況は一朝一夕で作れるものではありません。
ならば勝敗に関わりなく、シーンを盛り上げていくために必要なことに手を付けていくべきだ、と考えています。
バスケットボールのさらなる飛躍のカギ──。
バスケットボールファンを超えて社会現象化するためには?
それはやはり「大規模なアリーナ」の整備にある、と私は考えています。
野球で言えば、横浜スタジアムやマツダスタジアム。
厳然と鎮座している大きな建物自体がスポーツシーンを象徴する場所、聖地となって、そこを中心としてファンの輪が広がっていく。そういう場所があることで、大きくシーンは変わっていくはずです。