Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<グループリーグ分析>シャビが語るMF新時代。 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2018/07/14 16:00

<グループリーグ分析>シャビが語るMF新時代。<Number Web> photograph by Getty Images

ルカ・モドリッチ(クロアチア)。

 スター揃いの国も、簡単には勝ち切れない今大会。結果を残したチームの中盤には、マルチロールと判断力を併せ持つ選手が必ず存在感を見せ、ゲームを支配している――。

 今大会、グループリーグの戦いは拮抗した勝負が続いていた。優勝経験のある強豪が格下に苦しむ試合も数多く見られた。スーパースター揃いの国であっても、もはや簡単に勝てる時代ではなくなっているのだ。

 強国が簡単に勝てなくなった理由。それは、各チームの中盤の守備がより組織的に発展したことにある。過去2大会で優勝したスペインとドイツは方法論こそ違うが、ともに「中盤でゲームを支配する」ことで頂点を極めた。今回はその流れを打ち破るべく、各国が対策を立ててきている。結果、パサーが自由にプレーを謳歌するスペースと時間はほとんどなくなった。技術面はもちろん、判断力の高いミッドフィルダーでなければ活躍できない。インテリジェンスはパス能力やテクニック以上に中盤の選手にとって必須のスキルとなったのだ。

 僕はミッドフィルダーなので、どうしても中盤の選手に目がいく。嬉しいのは、グループリーグを見たところ、そういったスキルを備えたミッドフィルダーが大会の主役になっている、ということだ。やはり中盤で組織的に統制されたチームが結果を出しているし、爆発的なアタッカーを揃えたから勝てる状況ではなくなってきている。

 グループリーグで僕が特に面白いと感じたのは3カ国の中盤だった。メキシコ、クロアチア、そしてベルギーだ。

 まずは華麗にドイツを破ったメキシコだ。僕は大会前、公に「メキシコは驚きの活躍を見せる」と言い続けてきた。彼らの個々の力と組織力は高いレベルにある。

 特にドイツ戦でのエレーラとグアルダードのドブレピボーテの働きは素晴らしかった。中盤で確実に相手を捉え、最終ラインとの間に隙間を作らなかった。グアルダードはもうリーガでも見慣れているから、特に驚くことはなかった。ベースにしっかりとしたテクニックがあるし、監督に言われたことを90分間遂行できる、戦術理解力もある。プレービジョンが豊かで、前方向へのパス出しでも貴重な存在になっている。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

シャビ
ロシアW杯
ワールドカップ

海外サッカーの前後のコラム

ページトップ